猫の尿道閉塞
なつ動物病院です。
だんだんと暖かい日が増えてきましたね。
みなさんいかがお過ごしですか?
なつしゃちょーは今日も元気に日向ぼっこしています。
今回は病気についてシリーズ、猫の尿道閉塞についてです。
わんちゃんも猫ちゃんもおしっこが出なくなる、出しづらくなる尿道閉塞という病気がありますが、わんちゃんと猫ちゃんで
原因や頻度が異なってきますので、今回は寒い時期に多くなりやすい猫の尿道閉塞についてお話しします。
まず、尿の通り道についてのお話です。血液中の老廃物は腎臓で濾過され尿として体外に排出されます。
このとき、腎臓から膀胱までの尿の通り道が尿管、膀胱から体外までの尿の通り道が尿道です。
尿道閉塞とは字の通り、膀胱から体外までの尿の通り道が詰まってしまう(閉塞してしまう)病気です。
尿道がつまってしまうと老廃物を多く含んだ尿を体の外に出せなくなります。
すると体の中に老廃物がたまっていき、気持ち悪くなって吐いたり、食欲がなくなったり、中には脳に影響を与えて発作を起こしたりします。
1日以上尿が出せなくなると亡くなる事もある緊急性の高い病気です。。
以上をまとめて症状として
①尿が出ていないor何回もトイレに行く
②元気・食欲がない
③吐く
④ぐったりしている
といった症状のうち、雄の猫ちゃんで①+②、③、④で尿道閉塞の可能性が高いです。
①のみであれば膀胱炎で緊急性が低いこともありますが、尿道閉塞だと緊急性が非常に高いので、上記に当てはまる症状の時はすぐご連絡ください。
なお雌の猫ちゃんは雄に比べて尿道が太いので尿道閉塞になる事はほとんどありません。
ただ②、③、④のみの症状の時でも尿道閉塞以外の緊急性の高い病気もありますので、様子がおかしければご連絡頂けたらと思います。
診断としては身体検査につきます。
尿を体の外に出したくても尿道で詰まって出せなくなるので膀胱はパンパンに大きくなり、常に尿を出そうとするので膀胱が硬くなります。
このため、触診で硬く大きい膀胱が触れたら診断が可能です。
治療は尿道のつまりを取り除く、尿が出なかったことにより生じた腎臓や体の負担を点滴により改善させる、といった治療になります。
また尿道がつまる原因も様々ですが、猫ちゃんの尿道閉塞の原因の多くは特発性といってこれといった原因が無い事が多く、かつ再発しやすい病気です。
このため、原因の特定を行った上で多角的に治療後の再発予防のケアが重要となってきます。
今回のお話も皆様の一助になれば幸いです。