おはようございます。
今回は6月に新たに導入した腹腔鏡という器械のお話です。
みなさん、腹腔鏡という言葉はご存じですか?
もしかしたら「自身が腹腔鏡手術を受けました」とか「知人が手術を受けました」という方がいらっしゃるかもしれません。
細長く硬い棒状のカメラ(硬性鏡、スコープ)を小さな孔からお腹の中に入れ、お腹の中の様子をモニタに大きく映しながら手術を行う、こういった手術を行うのに必要なものです。
今回はこの腹腔鏡という器械を当院で導入しましたので、何回かに分けてお話ししていきますね。
今回当院が導入した腹腔鏡はこれです‼
以下、メーカーからの提供情報になります。
名称:アダチ シェリーインサイド 内視鏡手術システム
特長
・4K技術の搭載により、従来のFHDシステムより4倍以上画素となり、外科医の高い要求に応える鮮明・豊富・高精細な画像を実現します。
・最新の3-Chip CMOSセンサーテクノロジーにより、高解像度・好感度・豊かな色再現を実現することにより、術者のストレスの軽減、愛犬や愛猫に安心・安全・負担の少ない手術の提供が可能です。
・従来のHD画質レベルのデジタルズーム2倍と比べ、アダチオリジナルカメラヘッドは光学ズームを搭載することにより、4K画質のままで緻密でデリケートな手術をサポートします。
・特に小動物には血管や組織膜細部まで術者が没入する感動の画質を実現します
・カメラ業界トップクラスの被写界深度を誇り、手前から深部までクリアな視界を提供します。
以上、提供情報になります。
ざっくりいうと、実際に使ってみた術者(私)目線でみても、明るく見やすく、綺麗で腹腔鏡として申し分ない、そんな印象です。
では、この腹腔鏡の普及状況(動物病院での導入状況)はどうなのかというお話をしていきます。
まず、山口県内で腹腔鏡を導入しているのは2次診療施設(一般の動物病院からの紹介患者さんのみをみている施設)である、山口大学があります。
では、1次診療施設(一般的な動物病院)ではどうかというと、、、当院で調べる限りではありませんでした。(2023年6月時点)
お隣広島県では複数動物病院が所有しています。
また福岡県でも複数動物病院の所有を確認しています。
なお、当院のある下関市のお隣の福岡県北九州市でも調べる限り所有動物病院はありませんでした。(2023年6月時点)
なので、県内で通常、飼い主さんが腹腔鏡手術を希望した場合、おそらく当院がお近くの動物病院になります。
(県東部にお住まいの方は広島県の方がお近くかもしれません。)
X線CT機は動物病院でも普及しつつありますが、腹腔鏡はまだまだ普及していない様子です。
そんなレアな腹腔鏡を、では何に使うのか、というお話を次回していきます。