腹腔鏡手術トピックス

腹腔鏡④ 避妊(不妊)手術について2

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前回、腹腔鏡(補助)下避妊(不妊)手術についてお話ししました。
今回はその補足説明です。

前回、腹腔鏡を用いた避妊手術の分類として、
腹腔鏡下卵巣摘出術(腹腔内のみで手技を完結する手術で、卵巣のみを取り出す)
腹腔鏡補助下卵巣子宮摘出術(腹腔鏡を用いつつ、卵巣・子宮を腹腔外に引っ張り、腹腔外で子宮を切除する手術)
の説明を行いました。

また当院では腹腔鏡を用いた避妊(不妊)手術では通常腹腔鏡下卵巣摘出術を実施するとお伝えしました。
原則腹腔鏡下卵巣子宮摘出術を実施しますが、ではどういったときに腹腔鏡補助下卵巣子宮摘出術を行うのか、というお話です。
目安として2歳を超えている場合、子宮に異常を抱えている場合があります。
見た目に異常はなくても、保険として念のために切除しておく、という考え方が1つ。
あとは明らかに子宮に異常を認める場合、及び飼い主さんが希望された場合に実施します。
子宮に異常を認める場合の中に子宮蓄膿症も含まれます。
改めて説明予定ですが、子宮蓄膿症の手術も腹腔鏡補助下で実施できる場合があり、腹腔鏡補助下で実施すると術後の回復が早いように感じます。
以上をまとめると、

腹腔鏡下卵巣摘出術
・当院で原則実施
・2歳程度まで
・子宮に異常を認めない

腹腔鏡補助下卵巣子宮摘出術
・2歳を超えている
・子宮に異常を認める(子宮蓄膿症を含む)
・飼い主さん希望

となります。

腹腔鏡補助下卵巣子宮摘出術の流れは下記の通りです。

左卵巣動静脈を止血・切離

左の卵巣堤索(卵腎靭帯)を切離

右も同様に卵巣動静脈、卵巣堤索を切離

体外に子宮角を引っ張り出す

腹腔外で子宮を結紮・切離

手術前

手術後

ご興味がありましたらお気軽にご相談ください。