腹腔鏡手術トピックス

犬、猫の腹腔鏡手術とは?                    メリットやデメリットを徹底解説!

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ワンちゃんやネコちゃんの手術法として、近年注目を集めている腹腔鏡手術

従来の開腹手術に比べて負担を軽減できることから、多くの動物病院で導入されています。

とはいえ、大切な愛犬や愛猫の手術を控えている飼い主の皆様の中には、

「腹腔鏡手術って一体何?」

という疑問を抱えている方もいらっしゃるでしょう。

そこでこの記事では、犬や猫の腹腔鏡手術とは一体どんなものか、何ができるのかということについて、詳しく解説していきます。


犬、猫の腹腔鏡手術とは?

腹腔鏡手術とは、ワンちゃんやネコちゃんのお腹を2~3箇所切開し、カメラや手術器具などを挿入して行う手術法のことです。

獣医師は、モニターに映し出された映像を見ながら手術を行います。

後ほど詳しく解説しますが、従来の開腹手術に比べて傷口が小さくなるため、ワンちゃんやネコちゃんの負担を軽減しやすくなります。


腹腔鏡手術のメリットは?

腹腔鏡手術のメリットは、以下の通りです。

・ワンちゃんやネコちゃんの負担が減る
・お腹の中を見ながら手術が行える
・映像による記録を残せる

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。


ワンちゃんやネコちゃんの負担が減る

腹腔鏡手術最大のメリットは、ワンちゃんやネコちゃんの負担が減ることです。

傷口がおよそ3~10mm程度になるため、回復スピードも早められます。

それに伴って、痛みや入院期間、鎮痛薬の必要量なども軽減できます。


お腹の中を見ながら手術が行える

高性能の小型カメラに映し出された映像を見ながら手術ができることも、腹腔鏡手術のメリットです。

例えば、避妊手術の場合、卵管を無理に引っ張る必要がないため、ダメージを軽減できます。

同時に、卵巣の取り残しを防いだり、止血確認の精度を高めたりといった効果にも期待できるため、ワンちゃんやネコちゃんが安全に治療を受けられるようになるのです。


映像による記録を残せる

腹腔鏡手術を行うことで、愛犬や愛猫の体内状態を記録として残せます。

この映像は、経過観察時だけでなく、その後の検診や治療にも役立てられるため、一石二鳥といえるのです。


腹腔鏡手術のデメリットは?

そんな腹腔鏡手術にも、いくつかデメリットがあります。

・高度な技術が必要になる
・特殊な設備が必要になる

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。


高度な技術が必要になる

腹腔鏡手術は、カメラに映し出された映像をもとに手術を行うため、開腹手術に比べると難易度が高くなります。

そのため、手術を担当する獣医師に高度な技術が求められます。

また、視野が狭くなる分、手術時間も長くなりがちです。


特殊な設備が必要になる

腹腔鏡手術には、以下のような器具が必要です。

・腹腔鏡
・ビデオイメージングシステム
・ガス送機器
・トロッカー
・腹腔鏡用鉗子
・腹腔鏡用シーリングデバイス
・吸引・洗浄機

これらの設備を揃えるためには、高額な設備投資が必要になるため、中には導入していない動物病院もあります。

愛犬や愛猫に腹腔鏡手術を受けさせる場合は、上記の設備が整っており、高度な技術を持った獣医師がいる動物病院を受診しなければなりません。


腹腔鏡手術で何ができる?

犬や猫の腹腔鏡手術では、以下のようなことが行えます。

・避妊手術
・腹腔内陰睾手術
・膀胱結石手術

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

避妊手術

腹腔鏡手術は、犬や猫の避妊手術時に用いられることが多いです。

傷口が小さく負担が少ないというメリットだけでなく、卵巣や子宮の取り出しを丁寧に行えるというメリットも得られます。

体重2kgに満たない小型犬であっても手術が可能ですので、飼い主さんも安心して見守れます。


腹腔内陰睾手術

腹腔内陰睾とは、陰嚢に収まるはずの精巣が腹腔内にとどまってしまう病気のことです。

原因としては、遺伝的要因が強いと考えられています。

精巣が内部にあると、精子が正常に作られないため、精巣腫瘍のリスクが高まります。

そのため、できるだけ早く手術で摘出しなければなりません。

腹腔鏡手術の場合、大きな切開を行わずとも摘出が可能となりますので、ワンちゃんやネコちゃんの負担を軽減しやすくなります。


膀胱結石手術

膀胱結石とは、膀胱内で尿中のミネラルや化学物質が結合して、石のような塊ができてしまう病気のことです。

膀胱に結石があると、その違和感から頻尿になったり、感染症を引き起こしたりする可能性が高くなります。

腹腔鏡手術であれば、モニターで1つずつ確認しながら結石を取り残しのリスク少なく確実に取り除けます。


その他手術として下記の手術も挙げられます

・腹腔鏡補助下子宮蓄膿症手術
腹腔鏡下胃固定術
・副腎腫瘍摘出術
・胆嚢摘出術

・門脈-体循環短絡血管結紮術
・乳び胸手術(乳び管エンブロック、心膜切開)
・胸腺腫切除術


まとめ

犬や猫の腹腔鏡手術は、従来の開腹手術に比べてダメージが少ないことから、多くの動物病院で導入されています。

傷口が小さく済むため、痛みや違和感、鎮痛薬の必要量も軽減できますし、入院期間も短縮できる場合が多いです。

ただ、腹腔鏡手術には様々な設備が必要であり、獣医師の技術も求められるため、全ての動物病院で受けられるわけではありません。

山口県下関市にある「なつ動物病院」は、ワンちゃんやネコちゃんの負担を軽減すべく、獣医領域ではまだまだ少ない「腹腔鏡」を導入しています。

現在、腹腔鏡手術における相談を行っておりますので、犬や猫の腹腔鏡手術をご検討中の方は当院までお気軽にご相談ください。