腹腔鏡手術トピックス

動物の健康を守る!迎え入れ後すぐに始めたい感染症予防とケアのポイント

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動物を家族として迎え入れる瞬間はとても嬉しいものです。

しかし、迎え入れてすぐの時期は、動物が新しい環境に慣れるだけでなく、健康管理や感染症の予防にも細心の注意を払う必要があります。

本記事では、新しい動物の健康を守るために知っておきたい感染症予防と健康管理について解説します。


1. 診察と健康チェックの重要性


新しい動物を家に迎えたら、まず初めに動物病院で健康診断を受けることが大切です。

健康診断では、動物の全体的な健康状態を確認し、必要なワクチンや予防接種のスケジュールを獣医師と相談します。

以下のチェックポイントに注意しましょう。


健康診断のチェックポイント


体重・体型の確認  

子犬や子猫の場合、適切な体重管理が重要です。

成長期に体重が増えない場合は栄養状態が悪い可能性があります。

診察時に獣医師と理想的な体重管理について相談しましょう。


フィラリア予防やノミ・ダニの予防  

動物が完全室内飼育の予定だとしても、また犬でも猫でもフィラリアやノミ・ダニの予防を推奨します。

フィラリア症は蚊が媒介して犬に感染する病気で、命に関わることもあります。

蚊に刺されることで病気が移る可能性があるので、室内飼育でも感染してしまうリスクがあります。

またノミやダニも人の靴や衣服を通じて室内に入ることもあります。

動物を外に出さないから大丈夫と思っていたら寄生されていた、という事もありますので、予防した方がいいかどうか悩んでいる、という事でしたら一度ご相談下さい。


また、ダニを媒介して重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という怖い病気もあります。

猫では7割ぐらいが亡くなってしまう病気で、人でも高齢の方だと2割ぐらいの致死率がある病気です。

動物の予防を通して動物も人も安全に暮らせる環境を目指しましょう。


ワクチン接種の計画  

ワクチン接種は感染症から動物を守るために欠かせません。

狂犬病、パルボウイルス、ジステンパーなどの予防が特に重要です。

獣医師と適切なワクチンプランを立てましょう。



2.ワクチン接種による感染症予防


動物が健康に生活するためには、定期的なワクチン接種が欠かせません。

ワクチンは感染症の予防に有効であり、特に集団生活を送る機会が増える場合や、公園などで他の動物と接触する場合に必要です。


犬の代表的な感染症とワクチン


  • 狂犬病  

犬を飼う場合、日本では人を守る為の法律「狂犬病予防法」によりワクチン接種が義務付けられています。

狂犬病は人間にも感染するため、必ず適切な時期に予防接種を受けましょう。


  • パルボウイルス感染症  

パルボウイルスは激しい下痢や嘔吐を引き起こし、特に子犬にとって致命的です。

公共の場所で感染しやすいため、予防接種が推奨されています。


  • ジステンパー  

ジステンパーは犬に多く見られるウイルス性疾患です。 

幼犬に多く、潜伏期間は約4日で、その後に「発熱」や「元気や食欲の低下」、「くしゃみ・鼻水」など風邪に似た呼吸器の症状が現れます。

また、「嘔吐」「下痢」「血便」などの消化器症状も見られます。



猫の代表的な感染症とワクチン


  • 猫ヘルペスウイルス感染症  

猫伝染性鼻気管炎、俗に言う「ネコ風邪」の主な原因ウイルスで、目やに、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、食欲不振などを引き起こします。


  • 猫カリシウイルス感染症  

  猫の呼吸器に影響を与え、発熱や口内潰瘍を引き起こすウイルスです。ワクチン接種での予防が可能です。



3. 衛生管理と生活環境の整備


動物が健康に過ごすためには、生活環境を常に清潔に保つことが基本です。以下のポイントを押さえて、感染症のリスクを減らしましょう。


トイレや寝床の清潔さ

動物が毎日使用するトイレや寝床は、定期的に掃除することが大切です。

特にトイレは動物の排泄物が溜まりやすく、衛生状態が悪化すると細菌やウイルスの繁殖が進みます。

トイレシートや砂をこまめに取り替え、寝床も洗浄や日光消毒を心がけましょう。

また、猫では飼育頭数+1個のトイレの数を推奨します。

猫が気に入らない、不満を持つトイレ(汚れている、砂の種類が気に入らない、臭いが強い)では排泄を我慢することにより泌尿器疾患になりやすくなります。

緊急性の高い病気もありますので、健康に過ごせるように動物の気に入るトイレ環境を用意してあげましょう。


フードボウルと水皿の清潔さ

ペットが使用する食器類も毎日洗浄することが求められます。

特に食べ残しがあると、そこに雑菌が繁殖しやすいため、食後は速やかに片付けるようにしましょう。

水皿も毎日新しい水に入れ替え、常に清潔な状態を保つことが大切です。


猫では水皿の場所、高さ、水の温度も重要です。

気に入らない水皿の環境だと水を飲むことを我慢する傾向にあります。

水を飲むことを我慢すると腎臓・泌尿器の病気になりやすくなります。

動物が健康に過ごせるように動物の気に入る水皿の環境も用意してあげましょう。



4. ノミ・ダニ予防と室内外の環境管理


動物の生活環境が清潔でも、外部からノミやダニが侵入する可能性があります。

特に外出が多い犬は、ノミやダニがつくリスクが高まるため、次の予防策を実施しましょう。


予防薬の使用  

ノミやダニを防ぐための薬を定期的に使用することで、外出時のリスクを減らせます。

動物病院で獣医師に相談し、適切な予防薬を処方してもらいましょう。


環境の清掃  

ノミやダニは動物の寝床や家の中に潜むこともあるため、部屋全体の掃除も重要です。

特にカーペットやソファなど、繊維に入り込む場所は念入りに掃除機をかけましょう。

ただ、一度室内でノミダニや発生すると生活環境の清浄化だけで駆除することは難しいため、室内でノミダニが発生してしまった場合はノミダニ駆除を行い、ノミダニの生活サイクルを断ち切ることが重要です。



5. 適切な食事と栄養管理


動物の健康を保つためには、栄養バランスのとれた食事が欠かせません。

動物の成長段階や体質に合ったフードを選び、適切な食事量を与えましょう。

過剰な食事や不適切な食材は、肥満や消化不良、アレルギーを引き起こす原因になります。


栄養バランスのとれた食事

  • 子犬や子猫の場合  

成長期に必要な栄養素がバランスよく含まれている子犬用や子猫用のフードを選ぶことが重要です。

ペットショップや動物病院で相談して、最適なフードを見つけましょう。


  • 成犬・成猫の場合  

成犬や成猫になると、運動量や体重に応じて食事内容を調整する必要があります。

肥満防止のためにも、適度な運動と食事管理を行いましょう。


  • 病気の治療として特別なフード(療法食)が必要場合

病気の治療やコントロールのために、特別に栄養組成を変更させたフード(療法食)が必要になることがあります。

療法食は健康な動物が食べ続けると栄養バランスを崩し、健康を害する可能性があります。

療法食が必要な子は獣医師の指導の下、定期的に病態に合っているかどうか診察を受け、確認するようにしましょう。



6. 適切な運動とストレス管理


動物の健康には、適切な運動とストレス管理が欠かせません。

運動不足や過度なストレスは、病気や行動問題を引き起こすことがあるため、次の点に注意しましょう。

犬の場合  

毎日の散歩や遊びを通じて、適度な運動を確保することが重要です。運動不足は肥満の原因にもなるため、日常的に体を動かす機会を作りましょう。

犬種によって散歩量も変わってきますので、かかりつけの先生に相談してみくださいね。

猫の場合  

室内で過ごすことが多い猫には、爪とぎやおもちゃを使った遊びで運動を促すことが必要です。最近だとキャットタワーを設置している飼い主さんも多いですよね。

適度な刺激がストレス軽減につながります。


動物を迎え入れた後の感染症予防と健康管理は、動物が健康で幸せな生活を送るための基本です。

動物病院での定期的な健康診断やワクチン接種、清潔な生活環境を整えることで、動物の健康を守りましょう。